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2008年10月11日

●キラー・イン・ザ・レイン ( チャンドラー短篇全集 1)

キラー・イン・ザ・レイン (チャンドラー短篇全集 1)
Killer in the Rain and Other Stories
レイモンド・チャンドラー
Raymond Chandler
小鷹 信光 他訳
ハヤカワ・ミステリ文庫

『ロング・グットバイ』の新訳刊行を機に、再評価の気運が高まるレイモンド・チャンドラー。その全中短篇を、当代一流の翻訳者による新訳でお届けするのが『チャンドラー短篇全集』(全4巻)だ。
第1巻には、1933年の記念すべきデビュー作『ゆすり屋は撃たない』、『大いなる眠り』の原型となった表題作をはじめ、『スマートアレック・キル』『フィンガーマン』『ネヴァダ・ガス』『スペインの血』の6篇を収録。
巻末エッセイ/原 尞

チャンドラーのイメージでは『私』という一人称のイメージが強かったのですが、ここに収められている短篇のいくつかは『彼』という三人称。新鮮な響きに、軽い驚きを覚えました。
意外と、心地よいものです。

一番印象に残ったのは『スペインの血』
末尾を飾るにふさわしいラストシーン。サムが見、信じたかったものがどのように写っているのかが行間からあふれ出てくる感じがして、『私』の物語ではないが、誇り高き男の話となっている。

また、チャンドラーの描く女性の共通点探しも一興。
ステレオタイプとは決していえないけれども、チャンドラーが描く女性とはなんともいえない『何か』を持っているのでしょう。

次の短篇集もとても楽しみ。

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