●天国の囚人
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天国の囚人
Heaven's Prisoners
ジェームズ・リー・バーグ
James Lee Burke
角川文庫
メキシコ湾の夜明けは稲妻に震える。
デイヴ・ロビショーは驚くべき前歴をもつ元警官だが、今は貸しボート屋を開き二人めの妻アニーと静かに暮らしている。ある朝、黒煙をあげた飛行機が海に墜落した。4体の死体が漂う機内から、ロビショーは生き残った少女を救い出した。
翌日の早朝、出入国管理局の役人が少女を探してロビショーを訪ねてきた。役人は死体は3つで、飛行機はエル・サルヴァドルから不法入国だという。政府はなぜ死体を隠すのか?忍び寄る何者かが、嗅ぎまわるのはやめろとロビショーを脅かす。
が、ロビショーはやめることができない。彼のなかの悪魔が目覚めたのだ。
名作「ネオン・レイン」に続く待望のシリーズ第2作。
前作を読んだのはおそらく出版直後で、これも入手して6年ほど寝かせていました。
なぜだか知らないんですが、出版社がシリーズを1作目、3作目、2作目という順番で翻訳してしまい、それを知らずに1作目、3作目と読み始めて放り投げたからです。
つまり、なんだか怒っていて、収まりがつくのにこのぐらいかかった、、、かもよ。(くるねこ大和風)
主人公のロビショーはこの手のストーリーにありがちなちょっと厄介な問題を抱えた元警官で、それが中盤、静か~に爆発をし、最後にボッと燃え上がる。
燃え上がるためには彼を陰になり日なたになり支え、理解できないなりに彼を許すことで彼を守ってくれている親しい人々や、バイユーの自然の存在が大きい。
特に、ロビショーが生きている世界はケイジャンと呼ばれるアメリカ南部にいる元カナダ系フランス人移民たちが多数暮らしており、彼らの暮らしぶりを強調する食べ物が気になって仕方ない。
20年ぐらい前にニュースステーションでお天気お姉さんをしていた渡辺みなみさんが結婚してアメリカのヒューストンに移住し、料理本を出したんですが、その中に「ケイジャンの人たちの料理」が紹介されていたのを思い出しつつ、想像しつつ。
また、雨のシーンが独特でアメリカ南部、特にニューオリンズあたりはハリケーンがすごいことを思い出しました。
自然や食べ物の話ばかり書くからと言って、つまらない訳ではなく、ただ、ちょっとありきたりな展開だったかな?という感覚は否めない。
ロビショーと事件を解決するために情報交換をする麻薬局取締官のマイノスとのやり取りは、この手のハードボイルドでは欠かせないし、また、ロビショーがベースボールとボクシング、マイノスがバスケットボールといった風に彼らのキャラクターや造形をフォローする上でスポーツが出てくるのも読み手としてはありがたい。
著者は純文学的な要素を感じるのだが、詳しくはわかりません。
ただ、ロビショーの自省の言葉にはいくつか惹かれます。その一つを最後に。
私の人生は達成できなかった約束と決意の歴史だった。
自分の人生もまた同様である。