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赤の組曲
desember 15, 2004 | About Mystery
(Takao Tsuchiya 土屋 隆夫)
[古すぎてない]
〔1978/04/30 角川書店 文庫 @300〕
テーブルクロスに血で書かれた三つのゼロ、信州別所温泉の旅館で発見された赤いネグリジェ、そして赤い表紙の日記帳、これらはいったい何を意味するのか?"赤い謎"が検事の頭の中を走馬燈のように駆け巡る。東京地検の検事・千草は大学時代の旧友の訪問を受け、彼の妻の失踪の捜査を引き受ける。二人の子供はその1年前に轢き逃げで死んでいた。妻はなぜ失踪したのか、、、。
昭和の40年代というのは高度成長の時代で急激な経済成長が人間の社会にどのような影響を及ぼすのかが徐々に見えてきた時代。その時代を切り取り、時代性を反映させることで世の中に認められていった社会派推理小説と言うジャンルに属する作品。
検事の奥様への態度や、野本刑事や山岸事務官の検事への態度なんかに「うわぁ、、、」と思わず笑ってしまいますね。今これやったら三行半、ですよ。
ビゼーの『アルルの女』を聴きながら読んでみたいなーと思ってしまいました。なんとも言えないノスタルジックな作風にたまにははまってみるものいいと思います。
ところで、土屋作品は発表された時代背景の影響もあるかと思いますが、それを抜きにして謎だけを取り出してみても『古きよき時代のモラル』への郷愁のようなものを感じます。お上品なんですな。
2004/12/03読了