« The Mermaids Singing | メイン | 退路を断つ »


Compelling Evidence

desember 19, 2004 | About Mystery

邦題『情況証拠(上・下)』(Steve Martini スティーブ・マルティニ)
角川書店 文庫
1994/2/10

合衆国最高裁判所の裁判官に内定していた弁護士ベン・ポッターが正式指名の前日、謎の死を遂げた。
一見自殺かと思われたその死は捜査の結果、他殺と判断され、妻・タリアに殺人の容疑がかけられた。
情況証拠のみだが告発されたタリアの弁護を引き受けたポールはベンの事務所の元アソシエイト(弁護士)であり、彼女の昔の愛人でもあった・・・・・。
無能な主席弁護士に成り代わり、彼女の弁護を引き受けることになったポールに勝ち目はあるのか?
元法廷弁護士かつ元検事の作者のデビュー作。

マルティニの処女作。
いきなりデビュー作から上下巻ですか。。。。角川、強気ですね(笑
と思ったら、2作目を集英社が先に出していて、それが評判だったから、なんですね。

非常にシンプルな法廷ミステリ、かつ、読みやすいですね。
アメリカという国は「下半身は別人格になるときもある」という考え方が大手を振って闊歩していることがよくわかります。
主人公のポールと相棒・ハリーの『一匹狼にも友達はいる』的なやり取りがリズムを作り出していて、それなりに読ませます。
また、法廷の場にいるライバル・検事のネルソンも非常に好感度の高い人物で紳士的。弁護士を主人公にしたときに検事を悪人風に描く法廷ミステリがよくありますが、そういうのは「説得力の薄いご都合主義」になりがちですからね。それがないだけでも非常に好感度が高いストーリーです。

ただし、デビュー作と言うこともあって文章や登場人物の掘り下げなどはいまいち。ポールやハリーを囲む人々の何人かは「いくらなんでもこれはお粗末」という人物が出てきます。目が行き届かない部分があるのはしょうがないですし、あからさまな伏線も致し方ないと思います。
総合的に見ると『良』と言うところでしょうか。
マルティニを読むのでしたら、まずこれから読んでいくことをお勧めします。
2004/12/18読了


トラックバックの受付は停止中です


コメントの受付は停止中です。