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Lieberman's Folly
desember 29, 2004 | About Mystery
邦題『刑事エイブ・リーバーマン 愚者たちの街』
扶桑社 文庫
1999/06/30
老刑事エイブ・リーバーマンのもとへ、魅力的な売春婦エストラルダが保護を求めてきた。
パートナーのハンラハン刑事が護衛についたものの、わずかな隙に殺人は起こった!しかも、現場のアパートには、二人のこわもての上司が住んでいる。大失態のなか始まった捜査は混迷を深め、一方では私生活に続発する難問に、老刑事の悩みは深まるばかり。
だが、犯人の凶弾は刑事たちの背後にも迫っていた・・・・・・。
MWA賞受賞作家カミンスキーが、巧妙なミステリーに人生の哀歓を描き出す、大好評の警察小説シリーズ。
っていうか、これがシリーズ1作目ですから。
日本ではなぜか第3作目からの翻訳になっているのでこんなへんてこな紹介文が書かれているんですね。
さてと、エイブ・リーバーマンはユダヤ人、相棒のハンラハン刑事はアイルランド系。二人はお互いを『ラビ』『神父』と呼び合います。最初からシリーズ化を狙っているような感じですが、若い刑事ではなくラビは60歳、神父は48歳。くたびれたおっさん刑事コンビ。なので、同じ姿勢でいれば膝は痛むし、、子供たちは孫を連れてくるし、とどこか『哀愁漂う』私生活を背負っています。
狙っていますね、これ。という感じがしますが、これが「大げさ」ではないので、非常にいい感じです。ただし、警察小説と言うよりはハードボイルドに近いのではないでしょうかね?警察組織には属しているものの、「組織」的な描写は非常に少ないです。あの、独特の群像劇を想像すると肩透かしを食らいます。
ストーリーの本筋は一本だけなので、会話や描写のなかにある伏線に厚みを持たせて読ませる形になっています。
カミンスキーは非常に『文章が上手い』作家なので(なにせ、そういう講座の講師をしていて、教え子にはサラ・パレツキーがいますから)、彼の描き出す黄昏がかった街と男たちの姿を堪能してください。わりとお勧め。
2004/12/16読了